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森田 泰治; 谷 俊二*; 久保田 益充
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management,Vol. 2, p.348 - 353, 1991/00
高レベル廃液の群分離法開発のため、ジイソデシルリン酸(DIDPA)抽出による超ウラン元素の分離について研究している。本研究では、ミキサーセトラを用いた向流接触連続抽出実験により、Np分離の最適条件の決定及び核分裂生成物や腐食生成物の抽出挙動の解明を行なった。その結果、Npについては、V価の状態にあっても過酸化水素を添加した14段の抽出により99.95%以上のNpを分離できること、また16段のシュウ酸による逆抽出で抽出されたNpの99.9%以上を回収できることがわかった。これまでの研究で、III、IV、VI価の超ウラン元素についてもDIDPAにより効率よく抽出できることがわかっており、超ウラン元素の一括分離が可能である。本報告では、硝酸濃度0.5Mに脱硝した高レベル廃液からの抽出、4M硝酸によるAm、Cmの逆抽出、及びシュウ酸によるNp、Puの逆抽出の3工程から成る分離プロセスを提案する。
内田 勝秀*; 内山 軍蔵; 藤根 幸雄; 前田 充
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management,Vol. 2, p.775 - 780, 1991/00
複雑な化学的挙動を示し揮発性核種でもあるRuを含有する模擬廃溶媒を、液中燃焼装置により処理する際の燃焼挙動を実験により確認した。Ruを含む模擬廃溶媒(100%TBP)を補助燃料なし(空気比=1.1~1.2)に1300~1500Cの温度で燃焼した。その結果、大部分のルテニウムは回収缶液(廃液)内に安定に溶解し、液の色を特徴的なスペクトルを持つ茶色とした。しかし、他の模擬TRU物質(Ce,Sm,Eu,Zr)を含む溶媒の燃焼では、これらの物質のリン酸塩が生成し、缶液は白濁した。そのために、Ruと他の元素の燃焼挙動を基礎的な実験により確認したところ、高温酸化性雰囲気のためにNOxとTBPの熱分解により発生した五酸化リンが存在する燃焼炉内では、Ruはニトロシル化後にリン酸錯体をつくるが、難ニトロシル化性である他の元素は五酸化リンとの反応により、リン酸塩をつくることが明らかとなった。この結果Ruは、他の模擬TRU物質とは異なり、回収缶液に捕捉されずにオフガス系へ移行しやすいことが判明した。
内山 軍蔵; 藤根 幸雄; 宝徳 忍; 前田 充
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management,Vol. 2, p.723 - 728, 1991/00
再処理共除染工程においてNpをU・Pu製品流から分離すめためのプロセスの改良研究を行なった。有機溶媒(TBP/希釈剤)にU及びPuとともに抽出されているNpを逆抽出し分離するにはNpのみ選択的に6価から5価に還元する必要がある。本研究ではNpの選択的還元分離法として(1)有機試薬法、(2)電解法及び(3)光化学法の3法を取り上げ、各法の有効性の確認実験を行なった。有機試薬法では、-ブチルアルデヒドが選択性及び反応速度の点で優れていることを確認した。電解法では、電位を制御する方法が有効であることが判明した。電位制御範囲は白金電極では200-650mV(対飽和カロメル電極)が考えられた。光化学法では紫外線照射により硝酸溶液中に生成する亜硝酸により間接的にNpのみ還元できることがわかった。これらの技術の有効性は、現在建設中のNUCEF施設における実液を用いたホット試験によりさらに確認する予定である。
外川 織彦; 本間 俊充
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management: RECOD91,Vol. 1, p.253 - 258, 1991/00
核燃料再処理施設の平常運転時に大気及び海洋へ放出される放射性核種による日本の集団線量を推定する計算手法を開発した。気体廃棄物評価のための2つの計算コードATRENO及びTERFOC-Nは、大気における核種の輸送・拡散、陸域生態圏における核種の移行及び集団線量を推定する。液体廃棄物評価のための計算コードシステムDSOCEANでは日本近海を分割したボックス間の核種の移行を考慮するボックスモデルを用いている。システムはそれぞれボックス間の海水交換率、核種の年間平均濃度、集団線量を推定する3つの連結された計算コードから成る。本報告では、各計算コードの特徴を記述し、モデルプラントへの適用例を示す。
桜井 勉; 高橋 昭; 石川 二郎; 古牧 睦英; 大貫 守; 安達 武雄
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management: RECOD91,Vol. 2, p.678 - 681, 1991/00
核燃料再処理における放射性ヨウ素(I)の挙動、特に溶解工程における挙動を把握することは環境安全上重要である。模擬照射燃料ペレットによる予備実験の後、2~3gの使用済燃料ペレット試料片を4モル硝酸に溶解し、Iの挙動を調べた。その結果、試料片中のヨウ素の0.7~2.3%が不溶性残渣に収着され、1.2~10%が溶解液中に残留し、残りがオフガス中に移行することがわかった。本研究により、不溶性残渣にもヨウ素の一部が移行することが明らかになった。
田中 忠夫; K.Sriyotha*; 神山 秀雄
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management: RECOD91,Vol. 2, p.1011 - 1016, 1991/00
堆積層中のTRU核種の移行挙動を検討する準備段階として、移行化学形のわかりやすいCo、Sr及びCsの収着移行メカニズムについて研究した。下北のLLW最終貯蔵予定地周辺から採取した砂岩、凝灰岩及び砂質土壌を用いたカラム移行実験を行い、核種による移行挙動の違いを調べた。さらに、各核種の移行を支配する収着メカニズムを明らかにするため、収着試料についてCaCl、KCl、NHOH・HCl、K-Oxalate、HO-HNOの各水溶液を用いたバッチ法による化学抽出を行なった。移行性の大きなSrは、各試料に収着したSrのほとんど全てがCaClによって抽出され、可逆的なイオン交換反応に支配されることが見い出された。一方、CoはNHOH・HCl及びK-Oxalateによって、またCsはKClによって主に抽出され、それぞれFe及びMn酸化物への収着及び粘土鉱物層内への内部収着に基づく非可逆的な反応が支配的であるため、移行性が小さいことが明らかとなった。
白井 英次; 足立 守; 古平 恒夫; 佐藤 博
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management: RECOD91,Vol. l, p.367 - 370, 1991/00
原研では、JRR-3の金属天然ウラン使用済燃料を長期貯蔵するため乾式貯蔵施設を建設した。この施設は、ドライウェル貯蔵方式を採用しており、放射能モニタのための循環系設備、制御室、機械室等を有している。施設は30トンのウランを貯蔵することができ、使用済燃料は密封容器に入った状態で貯蔵されている。ドライウェルはコンクリート製でステンレスのライニングが施されており、約12m13m5mである。ドライウェルには、給排気設備が接続しており、密封容器周囲の空気を循環・モニタリングすることにより異常を検知する設計となっている。本施設へ使用済燃料を貯蔵して5年経過した時点で密封容器2本を取出して、ホットラボで解体し、外観、密封性、X線検査等を実施した。検査の結果、長期間貯蔵による影響は全くみられず、使用済燃料の乾式貯蔵の安全性を確認することができた。